原付ってこんなの
 原付とは排気量50cc以下のバイクの事です。かっこ良くゼロハンと呼ばれる事もあります。
 原付というと、街中を走っているスクーターを思い浮かべると思いますが、それだけではありません。
 案外知らない人が多いのですが、原付はスクーター以外にも色々と種類があるのです。50cc以下なら全て原付なわけですからね。
 というわけで、こんな原付があるよっと、ここで少し紹介したいと思います。しかし、全車種を紹介するにはスペースが足りないので似た車種は割愛しています。知りたい人は自分で色々と調べてみてください。もちろん、全て「原付免許」で乗れます。
 まずは原付=50ccスクーターというイメージを作り上げるほど走っているスクーターから。
 左より「ホンダ スマートDIO」「ホンダ ジュリオ」「ヤマハ ビーノ」です。
 一般的なスクーターの特徴は、変速がオートマチックで右手のスロットルを捻るだけで走る事が出来る事(操作がイージーである)、最近のものはメットインスペースがあり座席の下にヘルメットや荷物を入れられる事、座席から足元にかけて構造物が無く椅子に座るような姿勢で乗る事です。
 こちらもスクーターです。ただし、ビジネススクーターと呼ばれるもので、社用や配送業務に使われることを前提に作られています。そのため、やや大柄で頑丈、メットインスペースがないかわりに大型のリアキャリアがついて沢山の物や大きな荷物が積めます。左は「ヤマハ ギア」、右は「スズキ スーパーモレ」です。ギアはビジネススクーターの代表格で最近ではその無骨なスタイルが受けて、ファションで乗る人も出てきています。スーパーモレは足元が普通のバイクやスーパーカブのようなステップになっており、他のスクーターと違い着座姿勢にならず、安定感が増しています。
 今度もビジネスバイクです。左は「スズキ K50」、右は「ホンダ ベンリィCD50」です。操作方式はクラッチ付きの踏み込み式ロータリーシフトです。頑丈な車体にタフネスなエンジンが搭載され、高い静粛性、好燃費を併せ持ちます。リアキャリアがついているので荷物も沢山載ります。また、普通のバイクのように跨って乗る形のため、ニーグリップが出来るので走行中の安定感が高いです。
 日本が世界に誇る名車「ホンダ スーパーカブ」です(右端はそのスーパーカブの17インチタイヤを14インチタイヤに小径化したリトルカブです)。いまさら紹介するまでも無く世界中で使われる有名なバイクです。もともとは新聞配達や出前などで使われるためのビジネスバイクでしたが(もちろん今でも使われています)、最近では普通の人がオシャレに乗ることが増えてきました。カブをかわいくドレスアップするためのカブラパーツなども沢山売られていて、現在は色々なスタイルのカブが街中を走っています。
 スーパーカブやリトルカブの特徴は、車体もエンジンも非常に頑丈で壊れにくく、高い静粛性を持ち、好燃費な事。操作するためのスイッチ類が全て右手側に集中しているため片手で操作可能な事。自動遠心クラッチが採用されており(シフトパターンは踏み込み式ロータリーシフト)クラッチ操作がなく、足でチェンジペダルを踏み込むだけでシフトチェンジが出来る事。17インチというやや大柄なタイヤを履いている為、未舗装路など多少荒れた路面でも平気で走れる事などがあります(リトルカブは14インチなので走破性は若干落ちますが、その分小回りが効きます)。
 これらはビジネスバイクから派生したファッションモデルです。左から「ホンダ ベンリィ50S」「ホンダ ベンリィCL50」「ヤマハ YB−1FOUR」です。
 基本構成は元になったビジネスバイクと同じなのですが、各部をリファインしてかっこ良く、オシャレな形になっています(しかも元はビジネスバイクなので機構が質実剛健で使い勝手も良いです)。
 普通のバイクと同じスタイル、同じ操作形態(掻き上げ式リターンシフトを搭載する原付です。左端は本格ロードスポーツの「ヤマハ RZ50」、中央はファッショナブルで高級感あふれるアメリカン「ホンダ マグナ50(フィフティ)」、右端は楽しく乗れるホンダの最新機種「ホンダ エイプ」です。
 RZ50は排気ガス規制を乗り切った最後の2ストエンジン搭載のロードスポーツモデルで、50ccの上限である7.2馬力エンジンを搭載し、「速く走る事」を楽しむ高性能バイクです。
 マグナ50は50ccながら本格的なアメリカンスタイルのバイクで、どっしりとしたフォルムや重厚な雰囲気を楽しみたい人向けです。
 エイプは楽しむ素材というコンセプトで作られたバイクで、改造パーツが沢山出ています(モンキーやNSR50などの部品流用もかなり可能だとか)。が、基本を押さえしっかりと車体が作りこまれているため、改造などしなくとも、十分に乗って楽しめるバイクです(実際、無改造で楽しんでいる人もかなりいます)。また車体価格がスクーター並の値段である事もポイントです。
 とても小さな車体に本格装備を詰め込んだレジャーバイク「ホンダ モンキー」と「ホンダ ゴリラ」です。車体はスクーターよりも一回り小さく、とてもカワイイバイクです。それでいて操作形態は普通のバイクと同じクラッチ付きの掻き上げ式リターンシフト。昔から多くの人に愛されてきたバイクで、今でもファンが沢山います。
 カスタムパーツも豊富に揃っていて、自分だけのオリジナリティあふれるバイクに仕上げる事も出来ます。
 ちょっと変わった原付を紹介します。左から「ホンダ ジャイロX」、「ホンダ ズーマー」、「スズキ ストリートマジックU」です。
 ジャイロXはスリーターと呼ばれる3輪スクーターです。無骨なつくりから分かるようにビジネス用で配達などによく使われています(郵便局でも一部で使われています)。2輪ではなく3輪なため、コーナーリング中に無理な操作でもしない限り、普通の状態では転ぶことはありません。また、メットインスペースはありませんが、荷物を載せる部分が広く取られているため、かなりの量を積み込むことが出来ます。
 ズーマーはネイキッドスクーターと銘うたれた異色のスクーターです。メットインスペースは見ての通りなく、座席の下は空間です(でも、そこにスケボーも入るとか)。実用よりもファッションで乗るタイプのスクーターなのですが、見た目のとは裏腹にとても安定感がよく乗りやすいそうです。
 ストリートマジックU(同じくTもあります。少し形が違います)は普通のバイクのような形をしていますが、実は操作がスクーターと同一のオートマチックです。操作が簡単な上に、跨って乗るスタイルでニーグリップが出来るため、安定感が高く初心者にもお勧めです。
 絶版車種については画像が集められていないので自分で調べてみてください。ホンダにはNS−1NSR50CRM50、ヤマハにはTZR50TZM50DT50、スズキにはハスラー50ウルフ50RG50γエポ、カワサキにはKSR−T、などがあります(検索エンジンにかければすぐにひっかかると思います)。
 メットインスペースは絶対に必要ですか?
 最近のスクーターにはほぼ必ずシート下にメットインスペースがあります。確かに非常に便利な機能なのですが、メットインがあるから欲しい車種を諦めてスクーターにするという意見には??と思います。「ないと不便」というのは良く分かりますが、欲しい車種を捨ててまで追い求める機能でしょうか?
 とは言うものの、必要な人は必要ですし、やはり便利機能は欲しいというのも分かります。ならば、普通のバイクにメットインと互角以上の積載量や便利さを持たせてしまいましょう。
 その方法は簡単です。リアキャリアを装備して(標準でついている車種はそのキャリアの上に)キー付きのボックスを取り付ければよいのです。このキー付きのボックスは各社から様々な種類が出ています(値段もピンキリです)。4000円ぐらいの簡易キー付きBOXは盗難対策などの面で不安がありますが、きちんとしたキーがついた物なら大丈夫です。また、これらのボックスはワンタッチで取り外しや、同メーカーの容量違いのボックスとボタン一つで交換可能など色々と便利な機能がついています。また、車体レイアウトの限界からシート下のメットインがフルフェイス型ヘルメットがギリギリ入る程度のスペースしかないのに比べて、ボックスには一番小さい部類のものでも大抵少し余裕があり、容量の大きめの物ならば内容量は比較になりません(1.5〜2倍以上あります)。また、見た目を気にしない人ならばホームセンターなどでコンテナボックスなどを購入して取り付け(ただし、取り付けには底面にドリルでネジ穴を開ける等の手間は必要です)、南京錠などでカギをかけられるように加工するという手もあります。これなら数千円で作れますし、大きさも自由自在です。
 ただし、リアキャリアがオプションでもない車種についてはこれら方法は使えません。また、少々お金が余分にかかってしまうのも事実です。でも、スクーターじゃないからメットインがない、不便だと短絡的に考える必要はないとは分かってもらえたでしょうか。
 せっかく乗るのですから、やはり乗りたい車種に乗るほうが良いですよね。
 ちなみにホンダのロードスポーツモデルNS−1はスクーターではなですがメットイン機能があります(絶版車なので中古でないと買えませんが)。
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